スタートアップ企業は、ベンチャー企業の1つです。
スタートアップ企業とベンチャー企業は全くの別物という訳ではありません。
ですが、なにがどう違うのかといったことは分かりにくいものです。
そこで、スタートアップ企業とベンチャー企業の特徴について詳しく解説していきますので、それぞれどういった企業なのか、どのような違いがあるのかについて見ていきましょう。
また、それぞれのメリットやデメリットについても触れていきます。
目次
スタートアップ企業とベンチャー企業の違い
スタートアップ企業とは「短期間で急成長を目指し、ゴールを設定している企業」
ベンチャー企業とは「比較的新しい会社で、成長中の企業」
このように本記事ではスタートアップ企業とベンチャー企業の違いについて、定義をして行きたいと思います。
それぞれ、社会的に定義はなされていないため、どのような違いがあるのかが分かり辛いのが現状です。
そこで、スタートアップ企業とベンチャー企業の違いや、現状ではそれぞれどのような特徴が「スタートアップ」「ベンチャー」と呼ばれているのかを確認し、理解を深めていきましょう。
①スタートアップ企業の特徴について
スタートアップ企業の特徴には以下の点が挙げられます。
・設立から2~3年ほどの設立から間もない企業
・今までにないビジネスモデルを創出し、市場を開拓していく企業
・短期間での投資回収を目的とし、短い期間で急成長をする企業
ですが、上記の通り「スタートアップ企業とはこういうもの」といった明確な定義はありません。
スタートアップという言葉の意味そのままでの解釈もあれば、イノベーションを起こして業界に新しい風を巻き起こす企業、投資を目的として短期間で成長をしていく企業など、さまざまな解釈があります。
そもそも、スタートアップという言葉はアメリカで「短期間で急成長を目指し、ゴールを設定している企業」という認識です。
そして、情報が日本へ流れてきた際に、言葉の意味と本来の意味が混同され、あいまいな認識が現在は広がっているという状況に。
そのため、本記事においては本来の意味である「短期間で急成長を目指し、ゴールを設定している企業」として、解説を進めていきます。
【短期間で急成長】
スタートアップ企業の目指す短期間で急成長というのは、数カ月~数年のうちに年単位で15%~150%以上、月単位で20%~50%以上、週単位で5%~10%以上の成長率を言います。
【ゴールを設定】
スタートアップ企業おけるゴールには「企業の売却」「株式上場」「株式公開(IPO)」などがあります。
これらを短期間で達成することをゴールとするのが、ベンチャー企業におけるスタートアップ企業の立ち位置となります。
②ベンチャー企業の特徴について
続いて、ベンチャー企業の特徴には以下の点が挙げられます。
・新興企業や成長中の中小企業
・すでにあるビジネスモデルを元に、収益性の増加や事業規模の拡大などで売上の増大を目標とする企業
・長期的に堅実な成長をしていく企業
「ベンチャー企業」という言葉は和製英語で、比較的若い企業やスモールビジネスを展開、従業員数の少ない会社などを指す場合もあります。
また、スタートアップ企業の特徴にある「今までにないビジネスモデルを創出し、市場を開拓していく企業」といった意味合いも。
このように、ベンチャー企業にもこれといった定義はなく、「若い企業」「新しいビジネスをしている企業」「堅実に成長をしている企業」など、幅広い意味合いを持ちます。
スタートアップ企業やベンチャー企業のメリットやデメリットについて
スタートアップ企業やベンチャー企業のメリットやデメリットについては、「スタートアップ企業はベンチャー企業の1つ」なので、ベンチャー企業のメリットやデメリットで考えていきましょう。
①ベンチャー企業のメリット
・効率的なコミュニケーションができる
・意思決定が速い
・イノベーションを起こしやすい
・臨機応変な対応ができる
スタートアップ企業を含むベンチャー企業は、大企業と比べて上記のようなメリットが。
まず、人数が少ないため、意思決定におけるプロセスも少なく済みます。
例えば、大企業では部署が多く、その数だけ部の長がいますが、さらにとりまとめる上司がいたりと、意思決定をするために上司の許可を得なければなりません。
また、複数の部署が関係するような案件ではミーティングをする必要も。
その分、意思決定にかかる時間が長くなります。
一方、ベンチャー企業では最終的な意思決定をする担当者までのプロセスが少なく、取引がスムーズに。
他にも、人数が少ないことから「イノベーションを起こしやすい・臨機対応に動くことができる」ことがメリットとして挙げられます。
なぜなら、人数が少ないということは「否定する人も少ない」からです。
そのため、新しい案が大企業に比べて通りやすいため、新サービスの創出に繋がります。
また、取引先の急な要望や行政の方針によって急な方向転換を余儀なくされる場合にも、意思決定機関が少ないことからすぐに対応が可能です。
これらのことが、ベンチャー企業にとってのメリットとなります。
②ベンチャー企業のデメリット
・顧客・販路開拓
・資金不足
・人材不足
・法律や税への知識不足
一方、上記のような項目がベンチャー企業のデメリットとしてあります。
知名度や実績に乏しいベンチャー企業では、どうしても新規顧客や販路の開拓が難しく、多くのベンチャー企業が頭を悩ましています。
そのため、業績が上がらず、資金不足となることもベンチャー企業では珍しくありません。
また、知名度や実績に乏しいことは資金調達面でも信用が得られにくいため、銀行での融資が得られない、希望額に満たないといったことがあります。
また、知名度や実績に乏しいことや資金不足のため、良い人材を集めることや、必要な人数を確保することも難しい場合も。
そして、人数が少なく、1人当たりの事業へ取り掛かる割合が多くなりがちなベンチャー企業では法律や税への知識が不足しがちです。
そのため、決算時に専門外の作業へ人員を裂かれたり、想定外の出費が出たりと、計画通りに動けないことも。
迅速な意思決定でスピード感と勢い、イノベーションを起こしやすいベンチャー企業ですが、このようなデメリットがあることも理解しておきましょう。
まとめ
スタートアップ企業とベンチャー企業の違いのポイントは以下のようになります。
・明確な違いはない
・スタートアップ企業はベンチャー企業の1つ
・スタートアップ企業はゴールを設定し、急速な成長を目的としている
・ベンチャー企業という言葉の指す企業の範囲が広い
本記事でも分かるように、ベンチャー企業の指す企業の範囲が広く、スタートアップ企業の指す企業にも複数の意味があります。
明確な違いや、スタートアップ企業とベンチャー企業の定義がないため、メリットやデメリットも分かり辛いのが現状です。
ですが、現在の日本では「ベンチャー企業は勢いのある新しいビジネスに取り組んでいる企業」、「スタートアップ企業はゴールを設定して急成長を遂げる企業」といった認識が多い印象となっています。
ビジネスの場でこれらのワードを出てきた際には、本記事で紹介した内容を参考にしてみて下さい。
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